アメリカに住んでもう十年以上になりますが、映画The Lord of the Rings 見ました。それも私の記録で2回も見てしまいました。瀬田さんの旧版でもう20年以上も前に読んだのですが、まるでビルボがガンダルフに再会するシーンのように古い友と出会った感激がありました。アクション映画のようなスピードで、本を読むのとはちょっと違うのですが、すばらしい出来です。瀬田さんの訳がいかにすばらしいかは、映画を見てもそのフレーズが聞き覚えのある台詞として頭によみがえってくることで改めてわかりました。
CGはあくまで脇役、俳優、音楽(ENYAもいいです)、演出の妙、どれをとってもイギリスの演劇の伝統を感じさせます。ただ本ではある程度説明がある歴史的所産(ミスリル、モリヤなど)はすべて説明ぬきですので、ホビット、シルマリルに目を通しておくと、より楽しめること請け合いです。
観客層が比較的高い(60−70代の人も結構みかけます)のも、特徴のひとつでしょう。十代後半からを対象にして作られていますし、笑いの要素が比較的すくないのも原作の雰囲気をよく捉えています。映画で改めてわかりましたが、サウロンの指輪が象徴するものは私たちがこの世に生きる「運命」なのですね。トールキンが第一次大戦を経て書いた、この重いテーマを映画は見事に映像化しています。ぜひ、お奨めします。